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杉並区荻窪の歯医者 定村歯科医院の今月のコラム バックナンバー

『歯根のむし歯 =根面う蝕=(進行速くむずかしい治療)』 のお話

歯は歯肉から外へ出ている部分(歯冠)と、歯肉の中に隠れている部分(歯根)とに分けられます。一般にむし歯といえば、ミュータンス菌が原因の歯冠部のむし歯のことを指します。歯冠のむし歯と歯根にできるむし歯は性質が異なりますので、ここでは歯根にできるむし歯についてお話しします。

歯肉は年をとるとともに、やせてきて(退縮して)、見かけ上、歯が長くなったようになります。とくに歯周病にかかると歯肉の退縮が進み、健康なときには歯肉に隠れていた歯根が外に現れてしまいます。

歯冠の表面はエナメル質でおおわれていますが、歯根はセメント質におおわれています。エナメル質に比べてセメント質は柔らかく表面がザラザラしているので、むし歯にかかりやすいのです。そして一度むし歯にかかると、急速に広範囲に広がります。

歯根部にできるむし歯を、歯冠にできるむし歯と区別して、根面う蝕と呼びます。この原因となる菌は、アクチノマイセス・ビスコーススといわれています。この菌はミュータンス菌とは違い、デキストランがなくても歯根に付着し、糖類を分解して酸を作り、むし歯を進行させます。

また根面う蝕は、私たち歯科医師にとっても治療しにくいむし歯です。歯冠のむし歯の多くが外から中に向かって縦に進行するのに対して、根面う蝕は歯と歯肉の境目に沿って横に進行して歯の周りをぐるりと取り巻きます。歯冠部が健全な状態で残っているのに歯根部が環状にむし歯になっている歯をみると、抜かないで治すにはどのようにすればよいか悩んでしまうこともあります。歯冠のむし歯には接着性プラスチックを詰めて治すことも多いのですが、エナメル質には十分な接着強度があるこの材料も、セメント質や象牙質にはまだ完全な接着の性能がありません。

根面う蝕は歯周病の進行した高齢の方に多く見られます。歯根が露出してきたら、とくに歯磨きに注意してください。

参考資料:「歯にいいはなし」-香川県歯科医師会 編

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